_ きなくさい

9日 イラクのシーア派組織、反体制派合同会議を欠席, そして 10日 イラクのイスラム教シーア派指導者 暗殺. ラムズフェルドを筆頭に, さっそくシリアにいちゃもんつけたりしているのも危うい. ガザでは, またイスラエルのヘリ攻撃が. パレスチナ人のこどもたちもまきぞえくらった. 4月にはいって, いつも通りになった.

クルド人が歓喜しているらしき映像が席捲, しかしトルコは クルド人キルクーク駐留を容認できないという. アメリカを含めた三巴の交渉だけでも十分きなくさい けれど, そもそもイラクに居るのはクルド人のごく一部でしかない. 基礎情報などによると, 2-3000万人のうち, イラクに居るのは 400万人程度. とくにトルコ南部に 1,500万人ほどいるクルド人たちは, ほんの少し前まで随分なかよしだった合衆国の支援をうけていたトルコ政府に, 弾圧されつづけている. 合衆国はクルド人の味方で…といった俗説がまかり通ることを懸念する. かつて湾岸戦争のときに蜂起したイラクのクルド人たちは, 結局合衆国に見捨てられたのだった.

途窮まれど未だ神に祷らず.

争いで得をするのは, いずれの当事者でもなく, いつも第三者ではないか.

kamiura.com トップページの今週の１枚は倒れるフセイン銅像. コメントから引用

今後、フセイン支配の終焉を語るとき、象徴的な映像としてこの１枚が歴史に残されるだろう。しかし彼こそはアメリカが育て、猛獣に仕立て上げた過去を忘れてはいけないと思う。再び、アメリカはイラクに新しい指導者を育てようとしている。親米的で、民主的で、米軍の軍事力に守られた強い指導者である。そのことが何を意味するのか、私達は多くの歴史から知っている。朝鮮戦争後の韓国・軍事政権、ベトナム戦争、カンボジア内戦、パナマ侵攻、南米の軍事政権。強い軍事力に守られた各国の政権は、いつも反民主的な政治で民衆を抑圧し弾圧した。そのような哀しい歴史が繰り返されないために、日本と日本人は何ができるのだろうか

そう, 合衆国が介入すると, 泥沼化してきたのが明確な事実. 民主化などを鵜呑みにする方が, どこか狂っている. 日本は, 唯一の例外といえるのかもしれない. 唯一の被曝国という例外と関係があるのか, 稀有な平和憲法と関係があるのか, わしには因果関係を説明できないけれど. もちろん, 日本がほんとうに民主主義国家かどうか, というのは多分に疑問. 民主主義の原価や日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日をながめていると, むしろ否定される. 経済的にも破産寸前. 合衆国からみる「極東の安全保障」的観点から無用になってしまえば, もはや泥沼化の例外ですらなくなる可能性が高い. 妄想含みで, 中国や核武装の進む南アジアにまで飛び火してしまったら, 人類全体の少なくとも半分の生命を危険にさらすことになる. 政府に愛想をつかした小市民としては, いかにふるまうべきなんか.

ところで kamiura.com 氏は上のようにきちんと合衆国軍事介入の歴史をふまえることができるにもかかわらず, メディア砲撃について, どうしてアメリカ軍がそんなことを意図的にやるとは思えませんと言えるのでしょうか. 米国戦略司令部自身が, 冷戦後の抑止を検討して狂っているとみせかけるのが有利と言っているのに. これが要するに「言うことを訊かん奴は殺してしまえ」というマフィアのやり方と同じだと自覚しているのかどうか. わしには, 狂っていると見せかけるのが有利と合理的に判断しているつもりで実際に狂ってしまっているだけ, のようにみえます. これは益岡さんも既に指摘していました. アメリカの国家犯罪全書はまちがいなく必読なんですが, そういえば書店でみかけません. どっかに訊いて, お願いしてみよう.

_ プロパガンダ

さて, そろそろ攻撃直後に益岡さんが書いた「来るべき嘘とプロパガンダに備えるために」を読み返すべき時期のようです. とりあえず「みんな手を振って」の段落を. 「やっぱり隠していたか」も, そのうちやってくるでしょう. なんら驚くべきことではない. 諜報戦争の闇 [TNN]も参考になります. しかし, TNN もどうして「パウエルは、わざとアメリカに対する信頼を損ない、世界の反戦運動を煽って、ネオコン主導で進められてきた開戦準備の動きを止め、戦争回避の方向に持っていこうとしているのではないか」などとおもいつづけるのでしょう? わかりません. パウエルはもともとタカ派で, 今もタカ派だというのに. あ, これも益岡さんが折込済でした. そういえば湾岸戦争時, 運転中の原子炉を爆撃し破壊したという話があります. 放射能の悪影響は劣化ウラン段よりも直接的なのでは.

民間人着性者数だけが強調されることに, 違和感があると言い続けてきましたが, やっぱりなんかへんだ. 米軍によると, イラク軍の死者数を数えることは「時間の無駄」だそうな. パウエルもかつて「関心ない」といいましたが. 新型ウイルスに殺されるよりも, いきなり現れた戦闘機に爆撃される方がよほど恐いと思う. 理由のある自爆テロよりも, もうすぐ実用化(!)されそうなラジコン操作の無人殺戮機械に爆撃される方が恐い. こういうのは感性の問題なのだろうか.

そうそう, マイケル・ムーアの預言(?)「選挙の数日前にビンラディンが見つけられることになるだろう、彼の逮捕劇が演出されるだろう」寺島さん訳戦争前夜のマイケル・ムーアからジョージ・W・ブッシュへの手紙もどうぞ. アホは死んでもなおらない. それから adbusters, CultureJammers jp よりイラクの人々, 悪の枢軸ツアー. 後者はrooting out evil の紹介.

さらに「戦後」云々にぎわうこの時期だからこそ, もういちど. 日本占領研究者の訴え−−イラク戦争・占領は歴史を無視する計画である 既にこの警告通り, 不可能な条件が現実になっているではないか. そして軍事介入の歴史をきちんと見るならば, 泥沼化必至. ひろく正確に認識されるには数年〜十年くらいかかるかも知れない. しかし, そのときには既に手遅れ. 日本も無事かどうか. 国際情勢を別としても, 経済的にはきわめて深刻.