_ 宇宙開発とセキュリティ

昨日から試験勉強そっちのけ。「宇宙作家」クラブと、すーさんの「NASDAにもがんばってほしいものだ」に触発されたみたい。ファインマンのチャレンジャー号事故のときのレポート(原文)を読む。結論部分の最後の一文「科学技術の成功のためには、事実が宣伝よりも優先されねばならない。自然は宣伝にだまされたりはしない。」が重い。

(たぶん同じ)報告書の訳は『ベストエッセイ』に含まれているそうです。その調査の様子を知るには『困ります、』をどうぞ。ついでにファインマンと原爆開発のかかわりについては『ご冗談でしょう(上), (下)』を。原爆開発にまつわる科学者一般についての誤解をとくにはこちらを参照してください。

信頼性と安全性を確保するためには、慎重すぎるくらいの定期的(内部・外部)監査が必要だと思う。会計だけじゃなくて、システムの監査。それもきちんと機能することが必要で、ファインマンの事後調査が模範になる。事が起こる前からやっておくのだ、と事が起こってから言うのは簡単だけど。

軍事も(それを行使しないのが最善だという前提で)いかに行使しないか／させないかを考えるべき。『アイアンマウンテン報告』で議論された広義の戦争から軍事的戦闘(殺戮)を最小化するためには、(行使しないのが最善だという前提をぶっちゃけるのは政治的に洗練された方法ではないと思うけど…)適当なお題目で、開発・研究(その他もろもろ)を奨励しつつ、監査やその機能をはたす代替方法を浸透させながら、直情的判断と物理的権力(軍事力)とを分離することだと思う。このためにも軍事費の一部を軍需産業や宇宙開発のセキュリティ(信頼性・安全性)確保のために割り当てるのは妥当だと思うのだけど。軍需産業と宇宙開発が結び付くのも困るな。それはそうと、わし自身は国家を前提とするかぎり「政治的洗練」の水準は低かろう。アイアンマウンテン報告の想定読者ではないらしいけど、低くてかまわない。国益なんてものを最優先する立場にはない。

まともなNGOに期待される大きな役割のひとつが、社会システムの(なんらかの点の)監査にあるような気がします。

さらに、世界全体の会計を考えるなら、軍事費との比較で世界が必要とするものを考えるのも一計。金をつかうべき場所はもっといろいろある。そもそも Social Security は Social Welfare だったはず。