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2007-01-26

_ 「大阪市・長居公園行政代執行に対する研究者声明」への賛同のお願い(とりわけ研究者の皆様方へ)

私たち若手研究者は、このたび執り行われようとしている長居公園テント村に対する強制撤去に対し、以下のような声明文を提案いたしました。私たちといたしましては、野宿問題にかかわっておられる研究者の方々のみならず、さまざまな研究分野でご活躍され、この問題に関心を寄せておられる方々にもご賛同をいただければと願っております。賛同していただける方は、以下の手続きで賛同の旨、送信していただければ幸いです。なにとぞよろしくお願い申し上げます。

ウェブサイトから[わたしも賛同する]

*なお、声明書はお書きいただいた賛同書とともになんらかのかたちで大阪市に提出し、またウェブやビラ、マスメディアなど、機会がありましたらさまざまな媒体に公表していく予定です。その際にはご記入いただいたお名前・所属等・メッセージが公表される可能性がありますが(メールアドレスは決して公表いたしません)、この点、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

*可能性としてはきわめて低いのですが、最速の場合、強制撤去が30日に執り行われる可能性も残っています。これらの事情を鑑み、賛同者集めの第一次締切は1月29日までとさせていただきます。ただ、現時点では行政代執行がいつ執り行われるのかが不明という事情もあり(2月にずれこむという可能性が大です)、第一次締切以降でも送信していただければその都度反映していきたいと考えております。

*強制撤去の日にちがいまだ不明であるため、大阪市への提出のタイミングは、当方で判断させていただきたいと思っております。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

関西若手研究者有志一同

_ 大阪市・長居公園テント村に対する行政代執行に関する研究者声明

2002年に施行された「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」(自立支援法)にもとづき、野宿生活者の自立へと向けた政策は本格化しました。大阪市においては、1994年から「あいりん高齢日雇労働者特別就労事業」が開始されるなど、すでに自立支援法成立以前から、野宿生活者の就労や居住を支援する取り組みが、運動団体の地道な努力やこれに呼応する行政の理解によって積み重ねられてきました。また、自立支援法成立以降も、大阪市では独自に、巡回相談員を設置して野宿生活者のニーズにきめ細かく応じる体制がつくられてきています。就労支援については、シェルターにおける就労事業の取り組み、自立支援センターにおける再野宿防止に向けたアフターフォロー事業の展開など、継続的な就労の獲得に向けた取り組みが続けられています。また、居住支援についても、簡易宿所を活用して総合的な生活支援を行うなど、より安定した居住の確保に向けた取り組みが進められており、こうした支援の輪は確実に拡大しつつあります。

このような官民が一体となった努力のなかで、とりわけ自立支援法が見直しの時期にさしかかった今日、克服すべき課題も次第に明らかになってきました。たとえば、既存の就労・居住支援をさら拡大させていくと同時に、「就労か福祉か」という二者択一的であった従来の自立支援施策の見直しが始まっています。「半就労・半福祉」という可能性が追求され、年金受給資格を発掘するなど、脱野宿後の選択肢は急速に拡がりを見せてきました。また、この間の試行錯誤は、野宿生活者に対する自立支援が、まず当事者を社会的な存在として認知し、包摂すること抜きになしえないことを明らかにしてきました。つまり、就労や居住、医療といった支援を拡大することに加えて、支援に携わる者と当事者とが人としてのつながりや信頼関係を保ち、そのようなつながりを拡大させていくことこそ、自立支援体制の要であることが、これまでの対策の展開からようやく見えてきたのです。

以上の現状を踏まえれば、これから自立支援事業をさらに充実すべく現場においてさまざまな努力が行われようとしているまさにこの時期に、きわめて強権的な手法である強制撤去に踏み切るという大阪市当該部局の対応は、理解に苦しみます。また、野宿生活者の生活を一方的に破壊する政策は、さまざまな分野で試行錯誤を繰り返しながら懸命に行われてきた自立支援のあり方、そしてそのなかでつくられてきた当事者と支援に携わる官民さまざまな人々との信頼関係をも破壊するものではないかと危惧されます。それのみならず、一般市民と当事者との関係性を損ねることにもなりかねません。これまでの官民の努力により、ようやく今後求められる自立支援の方向性が見えつつある現在、たゆまぬ努力により、信頼関係を築くことこそが求められています。いま路上や公園で起居している野宿生活者への対策として必要なのは、彼ら/彼女らへの見守りや話し合いでありましょう。この点については、公側の大阪市の関連部局や関係組織の現場においても、暗黙にあるとしても了解事項になりつつあります。さらに、長居公園で起居する野宿生活者は、さまざまな活動を通じて地域の人々とのつながりを築いており、そこからお互いを理解しあう可能性も芽吹きつつあります。今後も、見守り・話し合いのなかで信頼関係を築きつつ、よりよい対策に向けての積極的な努力を継続していくべきです。

他方、都市政策というより広い視点からこの問題を考えた場合、都市社会の包容力に目配せする必要があります。それは昨今、話題になっている格差社会の問題にどう対応するのかということと通底していると考えられます。野宿生活者を指してよく使われる「ホームレス」という言葉は、そもそもは目に見える野宿生活者だけを指すものではなく、総体として不安定な居住状態にある人々を指し示す概念です。ホームレスの問題の解決に向けて求められているのは、野宿生活者を都市空間から見えなくする試みではなく、野宿生活者を含め、不安定な居住状態にある人々の居住の安定を確保する試みなのではないでしょうか。また、居住と労働とは相互に関連するものでありますから、それはいかに労働を安定させるのか、という課題にもつながります。不安定な生活や労働に対する支援・セイフティネットが形づくられない限り、問題が解決することはありません。そうした課題が未解決であるということは、野宿生活へと追いやられる危険性をもった人々がつねに存在し続けるということを意味するからです。いま現在、野宿生活を営んでいる人々に対する支援策の模索は、目に見えないかたちで不安定な生活・労働を強いられている人々を幅広く支え、包容していく都市社会を構築するための第一歩でもあるのです。

大阪市の経済・文化をプロモーションしている人々が目指している「国際集客都市」とは、単に経済力や都市景観の美しさといった指標のみで測定されるものではありません。それは、都市に住まうすべての人々がいかに安定して豊かな生活を維持しうるのか、という都市の持続可能性という視点からも測定されるものです。市民の生活を支える大阪市の関連部局は、そのことを大阪市政の誇るべき伝統として意識されているはずです。大阪市政を振り返れば、全国に先駆けて革新的な社会事業を展開した関一の都市政策は、まさにこの観点にたったものでありました。大阪市政は、この伝統に則り、そしてグローバル化のなかで変わり行く現代的状況に対応しつつ、野宿生活者に対する、より包摂的で斬新な社会事業を再度生み出してゆく責務があります。

以上の観点から、わたしたち研究者は、今回長居公園のテント・小屋に対して執り行われようとしている行政代執行に関しては、これに反対いたします。

関西若手研究者有志

ウェブサイトから[わたしも賛同する]

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_ JN (2007-01-28 14:29)

こんにちは。大阪わかりませんが、私の大阪の友達が賛同するかもしれないので、転載させてください。http://blogs.yahoo.co.jp/nietzsche_rimbaud/44177546.html

_ JN (2007-01-29 19:37)

JNのところからまた転載したいとおっしゃってる方がいますので、そちらもおねがいします。


*ツッコミたい方は頭からどぞー